天山遯(てんざんとん) 乾上艮下
遯:亨(とお)る。小(すこ)しく利(よ)く貞(ただ)し。
《彖》に曰く:遯は亨る,遯(のが)れて亨るなり。剛(ごう)位(くらい)に当(あた)りて応(おう)じ,時(とき)と行(ゆ)くなり。小しく利く貞しとは,浸(やや)に長(ちょう)ずればなり。遯の時義(じぎ)大いなるかな。
《象》に曰く:天下(てんか)に山(やま)あるは,遯なり。君子以て小人(しょうじん)を遠(とお)ざけ,悪(にく)まずして厳(げん)にす。
初六:遯尾(とんび),厲(あやう)し。往(ゆ)くところあるに用(もち)うるなかれ。 《象》に曰く:遯尾の厲きは,往けば何の災(わざわい)かあらんや。
六二:これを執(と)るに黄牛(こうぎゅう)の革(かわ)を用(もち)う,これを説(と)くこと勝(あげ)てなけん。 《象》に曰く:執るに黄牛を用うとは,志(こころざし)固(かた)きなり。
九三:遯を係(つな)ぐ,疾(やまい)あり厲(あやう)し,臣妾(しんしょう)を畜(やしな)えば,吉。 《象》に曰く:遯を係ぐの厲きは,疾(やまい)に憊(つか)るるなり。臣妾を畜えば吉とは,大事(だいじ)をなすべからざるなり。
九四:好(よ)く遯(のが)る。君子吉,小人(しょうじん)否(ふ)。 《象》に曰く:君子良く遯るとは,小人否なればなり。
九五:嘉(よ)く遯る,貞吉(ていきち)。 《象》に曰く:嘉く遯る貞吉とは,以て志(こころざし)を正(ただ)すなり。
上九:肥(ゆた)かに遯る,利(よ)ろしからざるなし。 《象》に曰く:肥かに遯る利ろしからざるなしとは,疑(うたが)うところなきなり。 © 2026 I-Ching Divination. All rights reserved.