風雷益(ふうらいいき) 巽上震下
益:往(ゆ)くところあるに利(よ)ろし,大川(たいせん)を渉(わた)るに利ろし。
《彖》に曰く:益は,上(かみ)を損して下(しも)を益し,民(たみ)説(よろこ)ぶこと疆(かぎ)りなし。上(かみ)より下(しも)に下(くだ)る,その道(みち)大いに光(おお)いなり。往くところあるに利ろしとは,中正(ちゅうせい)にして慶(よろこ)びあるなり。大川を渉るに利ろしとは,木道(もくどう)乃(すなわ)ち行わるるなり。益は動(どう)じて巽(そん),日(ひ)に進むこと疆りなし。天施(ほどこ)し地生(しょう)じ,その益方(ほう)なし。凡(およ)そ益の道は,時(とき)と偕(とも)に行わる。
《象》に曰く:風雷(ふうらい)は,益なり。君子以て善(ぜん)を見れば則(すなわ)ち遷(うつ)り,過(あやま)ちあれば則ち改(あらた)む。
初九:用て大作(たいさく)を為(な)すに利ろし,元吉(げん吉),咎(とが)なし。 《象》に曰く:元吉咎なしとは,下(しも)厚(あつ)き事(こと)とせざればなり。
六二:或(ある)いはこれを益す十朋(じっぽう)の亀(き),違(たが)うこと克(あた)わず。永貞(えいてい)吉。王用て帝(てい)に享(きょう)す,吉。 《象》に曰く:或いはこれを益すとは,外(そと)より来(きた)るなり。
六三:これを益すに凶事(きょうじ)を用う,咎なし。孚(まこと)ありて中行(ちゅうこう),公(こう)に告(つ)ぐるに圭(けい)を用う。 《象》に曰く:益すに凶事を用うとは,固(かた)くこれ有(たも)つなり。
六四:中行,公に告げ従わる,用て依(よ)りて国(くに)を遷(うつ)すに為(な)すに利ろし。 《象》に曰く:公に告げ従わるとは,以て志(こころざし)を益すればなり。
九五:孚ありて心(こころ)を恵(めぐ)む,問(と)うこと勿(な)かれ元吉。孚ありて我が徳(とく)を恵む。 《象》に曰く:孚ありて心を恵むとは,問うこと勿かれなり。我が徳を恵むとは,大いに志を得ればなり。
上九:これを益すこと莫(な)し,或いはこれを撃(う)つ,心(こころ)を立(た)つること恒(つね)勿(な)し,凶。 《象》に曰く:これを益すこと莫しとは,偏辞(へんじ)なり。或いはこれを撃つとは,自(みずか)ら外(そと)より来(きた)るなり。 © 2026 I-Ching Divination. All rights reserved.